2021年春先に「今後電気代が値上がりする」などの話をお聞きになった方もいると思います。
筆者はエネルギー管理士という資格を持っていて、会社で電気エネルギーについて管理する仕事をしています。
自宅に送られてくる電力会社からの明細を読んだ会社の方が、「この再エネ賦課金ってなに?」と質問してきたので、同じ疑問を持つ方に向けてお答えしようと思います。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
まず名前が長いですね、そのままの意味になってしまいますが
太陽光などの「再生」が「可能」な「エネルギー」による「発電」を「促進」する「賦課金」です。
例えると「ソーラー発電などのクリーンエネルギーをもっと普及させよう」という意味です。
賦課金って漢字が読めない
「ふかきん」と読みます。
これは質問して来た会社の方も「この漢字なんて読むの?」とおっしゃっってました。 確かに読みにくいと思います。
この賦課金ですが、「何かのサービスを受けている人々から、集めるお金」と表現しておきます。
なぜ必要なの?
まず前提としてクリーンな再生エネルギーでの発電を支援するためというのが目的です。
ですがそれを行うのにも、単純にお金が必要なんです。
ご自宅の屋根にソーラーパネルを載せて発電し、電力会社へ電気を売っている方がいるとします。 発電した電気の内使わない分を売れば電気代は安くなりますが、このソーラーパネルを設置するのにも費用がかかっていますよね? タダではありません。
電気を売ってもその単価が低く、結局損をした!ということになればご自宅にソーラーパネルを導入する方はいなくなってしまいます。
しかし国としてもソーラー発電などのクリーンエネルギー普及は進めたいのです。
この再生可能エネルギーの普及の為、この買取値段を一定額で一定期間電力会社が購入することを国が約束しました。
買い取るにはお金が必要でその財源として使われています。
金額ってどのくらい払うの?
これは電気の使用量に比例し、全国一律です。
2021年5月からは1kWhあたり3.36円の支払いになります。
参考までに筆者自宅の2021年5月の使用電力量は202kWhなので3.36円をかけると678円ですね。
ちなみにこの賦課金、年々高くなっています。
実はこの賦課金って2012年から実施されていたんですよ? でも皆さん当時は気にしていなかったと思います。 2012年の単価は1kWhあたり0.22円です。 毎月の金額も数十円でした。
昨今話題になったのは一般家庭の1ヶ月の使用電力量として300kWhという目安があり、これに照らし合わせると1ヶ月の賦課金が1,000円を超えてくるとして注目を浴びています。
安くなる方法は?
残念ながら基本的に不可能です。
企業などで特定の条件を満たし、経済産業省からお墨付きがでれば減免さることがあります。
まとめ・雑記
今回は再エネ発電賦課金について触れてみました。
筆者としては今回疑問を持ってきて下さった会社の方に感謝しています。 職業柄この様な制度は「当たり前」の感覚になっていることが多く、「たしかに普通はなんだかわからない請求なのかな・・・」と思い、最初はただの疑問でも説明していくうちに「これは?こっちは?」と他の項目に対しても質疑してきました。 興味を持ってくださったのは純粋に嬉しいですね。
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